株式会社未来教育道
代表取締役酒井 明希奈
Akina Sakai
日本のIT人材不足を開発事業と人材事業を通して解決するべく、全国でSES事業を展開している株式会社ルートゼロ。ゞ
同社の代表であり、他社の社外取締役も兼任している酒井明希奈さんに起業のきっかけや会社に対する想いを伺いました。
TRIGGER
01
「みすゞ英語塾」という英語塾の経営をしています。その傍らで企業の講師業やテキスト作成なども行っているので、企業研修でマネージャーを育てるような研修も開催しております。
英語塾は基本的に講師は私一人で運営しているので、生徒さんは未就学児からシニアまでいらしゃって、個別でニーズにこたえる形で指導をしています。昔は10歳以上だったんですけど今は幼少のころから英語を習わせたいというニーズも高まってきたので、5歳以上に変えて受験対策からビジネス英語まで本当に幅広く携わらせていただけています。
とは言え多いのは小中高ですかね。いろいろな塾と迷った中でうちに来る方が多いですが、実践的な内容に共感してもらってそのまま入塾してもらうケースが多いです。
母国語を大事にする英語教育が強みです。英語ができるとは言ってもそもそも母国語で中身が空っぽの内容を話せても意味がないですからね。
英検対策においても型に当てはめたスピーキングやリスニングになりがちだけど、自分が表現したいのは何なのか、トピックがあっても背景知識があるかどうかとか、知ったうえで作文を書くのでは伝えられることが違うんです。一緒に考えながら表現を引き出していって最後の最後に英語で書くというのを大切にしています。
実際に外国人と話し合いをすると、文化が違う、歴史的背景も違うから教科書通りの文法じゃなくて「使える英語」ができるかどうかで会話ができるか変わっていくんですよね。通常の英会話教室ではそういう人材は育ちにくいので、私のところは本当に使える英語というのを目指して指導しています。
人の成長に触れることができるのが何よりのやりがいですね。
例えばですが、学習障害を持っていて英語のセンスも全くなかった子が英語を好きになって、大学は外国語学部にいったり、留学に行くことになりました!みたいな報告を受けたときは嬉しかったですね。なので英語ができるようになった時の喜びというより、好きになってもらえるという役割は大きいなと思いました。
他にも受験で高いレベルを求めすぎて拒食症になってしまった子がいたんです。その学校に行けなかったら生きていられないみたいなことを言っていた子に対して、人生は今だけじゃなくて長い人生だからということを話しました。結局志望したところにいけなかったんですけど、別の私立に入学して1年後に話したら今の学校に入って良かったと言っていたのは嬉しかったですね。
皆と共に自分も学び、一緒に成長できるますし、人、地域、国までも変える潜在的な力をもつのは「教育」だと感じています。
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昔から起業したいと思っていました。なんとなく自分が組織に属するというイメージを抱いたことがなかったんです。
22歳のときに人生の大先輩からもらった手紙に「君は、近い将来きっと人の上に立つ人です。そのために大切なこと、改善すべきことは・・・」ということが書いてあって、それがずっと心にありました。祖父母の介護看取りなどが終わったタイミングで、今だ!と思ったんです。自分にしかできないことをしよう、誰かに必要とされたいと強く思ったんです。
その時に都内の進学塾などでも働いていましたが、子ども第一ではない教え方、サポートの仕方、また保護者にとっても風通しのよくない塾の在り方に疑問を抱きました。本当に一人一人を大事にする、長い目で見たときにその人の益になる塾を、保護者にも地域にも開かれた学習の場を作りたいと思って今の塾を開校しました。
引っ込み思案で繊細。でも、芯が強く正義感溢れるタイプでしたね。人の痛みを自分の痛みとして感じるほど感受性が強かったです。
正しいことをしていじめられるくらいならそれでも良いってくらいに思っていたので、実際にいじめに遭った経験もありましたけど、人が必要と言ってくれるようなことが好きだったので自分を貫き通してましたね。
英語に興味を持ったのは、母と寝る前に英語かるたをしていて英語は楽しいものだという意識があったんです。それで14歳の時にオーストラリアに連れていってもらて世界の広さを知り、それで本当に興味がわいて英語を勉強したら一気に世界が広がったような感覚を覚えてのめり込んでいきました。
外国人講師と理念や方針の共有がうまくできなかったことですかね。同じレベルで英語を話せても外国人と話すときは自分のバックボーンとか環境とか先祖とかの話をもとに話をしていかないといけないんですよ。別にどちらが正しいという話でなくても、話し合いも前提を揃えることができないので建設的に話し合っていくことが難しいんですよね。
例えば外国人講師は自分の子にもこのくらいするから厳しく伝える、でも塾としては待つというのが大事。今日は機嫌が悪いとか違うことに気がとられているとか、よく見て待つというのを大事にしたいけどそういうのが講師には伝えわらなかった。遅刻しているのにのんびりしているとか、そういう悪気はないけど文化の違いによって理念を共有するというのが難しかったですね。
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03
「日々挑戦」です。毎年同じことをあまりしないようにしています。
例えば、夏休みのイベントも去年やったことと今年は違うことをやったり。自分も英語講師だけど国語教師に学びに行ったりとか、英語劇や朗読劇を聞きに行ったりしています。
初心忘れず常に感謝。自分一人でやっているものではないので生徒さんもいるし、その人たちに作ってもらった塾だなと思っています。いろんなタイプの生徒さんがいるのでいなければこの形になっていないですしね。
「みんなちがってみんないい」という金子みすゞさんの言葉が好きで、みすゞ学習塾の名前にも同じ字を使わせてもらってるんです。今の自分のためじゃなく、未来の日本の子どものために日々私も挑戦して成長していきたいと思っています。
開塾11年目、他人に言われたことをやるのではないので楽しいですね。
わくわくするようなことしかやらなくて良いし、人から必要とされていることだけでよい。最初は少し続けばいいやくらいの気持ちだったけど、コロナの時に思ったんです。日本だけで流れてくる情報だけでなく、世界中からの本当の情報をとれるようにならないとダメだって。
この10年でも大学入試の英語科目の改革があったけど、英語を話せる子は増えていないです。小手先で英語を教えるのではなくて「なぜ」英語を身に着けた方がいいのかというのを子供たちにもちゃんと伝えて、目的意識を持たせたうえで主体的に取り組んでもらえるような環境をもっと作りたいですね。
強い日本人を育てていきたいです。強い日本人と言うのは日本人というアイデンティティに基づいて世界と対等に語れるような方ですかね。他にも具体的なところでいくと学習障害認知を広めたり、人にも動植物にも優しい事業を展開していくこともしたいです。
そういう意味で直近で力を入れたいのは教材制作です。強い日本人という教材をシリーズ化したいですね。教科書の方が子供たちが手に取る機会が多くなりますし、日本人の文化を英語で話せるような題材がないからそれを作りたいです。ただの単語の並び替えとか穴埋めとかそんなにいらないと感じるので、読んで→伝えるみたいな教材を作りたいと思っています。
そうやって英語教育を根本から変革させていきたいですね。
株式会社未来教育道代表取締役
酒井 明希奈Akina Sakai
福岡県出身。マサチューセッツ州立大学を卒業。幾つかの教育機関を経た後、2015年にみすゞ英語塾を開校。2024年に株式会社未来教育道を創業。
社名 | 株式会社未来教育道 |
開校 | 2015年11月 |
会社住所 | 埼玉県さいたま市大宮区上小町838 |
事業内容 | 英語塾の運営(オフライン、オンライン) 企業研修 教材開発 教育関連セミナー及び地域活性化を目的としたイベントや動物愛護活動に関連する事業企画 |
HP | |
著書 | 夢を仕事にする方法5 ~リーダー17人を成功に導いた人生のレシピ~ |